用語集
■10ペタフロップス
  1秒間に1京(ケイ=10の16乗)回の計算性能。
   
■計算科学
コンピュータによる大規模計算を主要な道具とする科学研究の学問。具体的には、様々な問題への計算機シミュレーション等。
  
■実装
ハードウェアやソフトウェアに機能や仕様、部品などを組み込むこと。また、実際にその機能を組み込む際の手法。
  
■コンパイラ
人間が理解するプログラミングに用いる言語をコンピュータが実行できる機械語に翻訳するソフトウェア。
 
■LINPACK
米国のテネシー大学のJ. Dongarra博士によって開発された行列計算による連立一次方程式の解法プログラムで、スーパーコンピュータの世界的な順位を示すTop500リスト(毎年6月と11月に発表)を作成するために用いるベンチマーク・プログラム。
 
■スカラプロセッサ
データを細かい単位で順次処理する仕組みのCPUのこと。
 
■超並列システム
大量のCPUを結合して構成するコンピュータシステム。科学技術計算などを高速に処理する。
  
■プロセッサコア
演算処理を行うCPUの中核部分のこと。従来、CPUの高速化は動作周波数の向上により達成されてきたが、周波数向上による性能向上は消費電力の増大を伴うことから、頭打ちとなってきた。このため、最近はCPU内に複数のプロセッサコアを搭載することによって、CPUの性能を向上させている。
  
■SIMD
Single Instruction Multiple Dataの略。演算器利用方法の1つで、一回の命令で複数の演算器で複数データの処理を同時に行うもの。
  
■ハードウェアバリア機構
複数のプロセッサコアを協調して動作させる際に、すべてのプロセッサコアで動作を一致させる必要がある場合にバリア同期と呼ばれる処理を用いる。ハードウェアバリア機構はソフトウェアでバリア同期を行うよりも数十倍高速に同期処理を行うことができる。
■45ナノプロセス
45nm半導体プロセスのことで、LSI製造に適用する半導体プロセスの世代をあらわしており、現時点で最先端の微細加工技術。
  
■トランジスタのジャンクション温度
半導体素子を構成する部材の接続部の温度。この部分の動作温度を低くすることで、動作による消費電力が低く抑えられると同時に、信頼性が向上する。
 
■ノード
ノードとは「結び目」や「節」を意味する単語で、スーパーコンピュータ分野では1つの管理単位をノードと呼ぶことが多い。例えば、1つの基本ソフト(OS)が動作しているCPUやメモリの塊を指す。
 
■直接結合網
ネットワークには直接結合網と間接結合網という2つの方式がある。直接結合網は2ノード間の結合をさまざまに拡張して全体を構成する方式で、間接結合網は複数ノードの間の接続に切り替え装置(スイッチ)などを用いて全体を構成する方式。3次元トーラスネットワークは直接結合網の一種であり、3次元の直方体に配置したノードをそれぞれ6方向で結合し、各次元がそれぞれリング状に結合されるネットワーク構成をとる。
  
■デバッガ
プログラムに存在しているバグ(誤り)を発見して、それを修正する作業を支援するソフトウェアのこと。
 
■ライブラリ
ある特定の機能を持ったプログラムを、他のプログラムから利用できるように部品化し、複数のプログラム部品を一つのファイルにまとめたもの。ライブラリ自体は単独で実行することはできず、他のプログラムの一部として動作する。
    
■MPI
Message Passing Interfaceの略。分散メモリ型スーパーコンピュータでの並列計算をサポートするためのライブラリ。ある計算ノードでの計算結果のデータを違う計算ノードに通信するための機能を標準化して部品化したもの。
  
■分散メモリ型の並列計算
メモリ構成という観点から計算手法を分類するために用いられる名称の1つで、ある計算ノードから別の計算ノードのメモリを直接参照することができない計算を指す。メモリを参照できない場合は、参照する前にデータ通信が必要となり、これらのデータ通信のために、一般的に分散メモリ型並列計算機は高性能なネットワークを持つ必要がある。
  
■並列分散ファイルシステム
複数のファイルシステムを1つのファイルシステムとして構成して、大規模で高速な入出力を可能とするファイルシステムのこと。
   
■エクサ
10の18乗を表す単位。エクサフロップス級とは、次世代スーパーコンピュータ(1秒間に1京回の計算性能)の100倍(=1秒間に100京回)の計算性能。

 

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