「京」の一部稼働開始について

革新的ハイパフォーマンス・コンピューティングインフラ(HPCI)の構築プログラムの下で実施されている次世代スーパーコンピュータ「京」の開発においては、「京」での早期の成果創出につなげるために、システムの整備段階からアプリケーションプログラムの開発に資することを目的として、2011年度から計算機資源の一部を提供することが目標の一つに掲げられています。

「京」のシステム製作については、2010年10月より、理化学研究所計算科学研究機構(神戸ポートアイランド内)の計算機棟への搬入が開始され、順次据付及び調整を進めているところですが、本年3月31日までに、アプリケーションソフトウェア開発者自らが「京」の一部を用いてプログラムを開発、実証できる試験利用環境を暫定的に整備いたしました。これに伴い、当該プログラムの下で、早期の成果創出を目指すこととして国によって選定されているグランドチャレンジプログラムや戦略プログラムの実施機関に対して、本日から当該試験利用環境の提供を開始しました。

計算機システムの整備途上にあるため、当面は本年3月までに整備されたシステムのうちの限られた範囲での提供となりますが、システム整備の進捗にあわせて順次提供規模の拡大をはかっていくことにしています。なお、一般利用者への資源提供を行う本格的な供用開始は2012年11月を目指しています。

また、プログラムの実行環境が整ったことを受け、「京」の利用を目指すグランドチャレンジプログラム及び戦略プログラムの実施機関が、2011年4月より順次計算科学研究機構に研究開発拠点を開設し始めています。次世代スーパーコンピュータ開発実施本部及び計算科学研究機構では、これらの実施機関と協力、連携し、早期の成果創出に貢献することにしています。