11月13日行政刷新会議の事業仕分けにおいて、また仕分け以降も様々なご質問をいただいていますが、そのうち主なご質問にお答えします。


【目次】
Q1.次世代スーパーコンピュータではどんなことができるようになるのですか。
Q2.10ペタFLOPS級のシステムが一つあるよりも、1ペタFLOPS級のシステムが複数ある方がよいのではないですか。
Q3.次世代スパコンの優れた点を説明してください。
Q4.次世代スパコン開発の進捗状況を教えてください。
Q5.予算が凍結されるとどうなるのですか。
Q6.これまで開発にかかわってきていた3社(富士通、NEC、日立)のうち2社(NEC、日立)が撤退したのにもかかわらず、当初の目標どおりに進められるのはなぜですか。
Q7.2社の撤退を受けて、システム構成が見直されましたが、その際きちんと評価がなされているのですか。
Q8.見直しの結果、ベクトル部がなくなり、スカラ単一のシステム構成となりましたが、ベクトルユーザへの影響はどのようにみていますか。また、ベクトルユーザへの支援などは考えているのですか。
Q9.スパコンは他国から購入すればよいのではないですか。

Q1. 次世代スーパーコンピュータではどんなことができるようになるのですか。

スーパーコンピュータ(以下、スパコンと略)は、素粒子・天文研究、気象予報、温暖化予測、津波等の災害予測、創薬、半導体材料開発、自動車や航空機の構造解析や空力解析など幅広い分野において、理論、実験・観測に次ぐ第3の手法として、今日の研究開発には欠かせない基盤ツールとなっています。
(参考:スーパーコンピュータがどのようなものに活用されているかは「ハロー!スパコン」に分かり易く紹介しています)

現在開発中の次世代スパコンは10ペタFLOPS級(1秒間に1京(ケイ=10の16乗)回の計算性能)を目標にしています。この強力な計算能力により、例えば、下の図にあるように、ナノテクノロジーの分野では、原子レベルでのシミュレーションが半導体デバイス全体についてできるようになるため、半導体材料の開発が画期的に促進されると期待されています。また、地球環境分野では、これまで以上にきめ細かく雨雲や台風の動きをシミュレーションできるようになることにより、台風の進路や通過時刻などの予測精度の向上が見込まれるほか、これまで予測が難しかったゲリラ豪雨のような短時間のうちに変化する気象状況も予測することができるようになると考えられます。そのほかにも、ライフサイエンスやものづくり等の分野でも、大きな成果が得られるものと期待されています。

このように、次世代スパコンを活用することにより、従来では困難とされてきた複雑な事象の解析や、研究開発期間の大幅な短縮が可能となるなど、国民生活にも深く関係する多くの分野での飛躍的な進歩が見込まれます。

 (参考:プロジェクト概要「次世代スーパーコンピュータで期待される成果」) 

 
Q2. 10ペタFLOPS級のシステムが一つあるよりも、1ペタFLOPS級のシステムが複数ある方がよいのではないですか。

10ペタFLOPS級のシステムは、1ペタFLOPS級のシステムに比べて、計算速度が10倍速いだけでなく、10倍規模の問題を解くことができます。逆に、問題規模が大きすぎて1ペタFLOPS級のシステムに収まらない問題は、1ペタFLOPS級のシステムが複数あっても、解くことはできません。

例えば、全地球規模での大規模雲擾乱に伴う台風・集中豪雨の予測可能性研究は、現在、地球で大気が占める空間を3.5km程度の区画に区切って計算しています。この規模の計算は0.02ペタFLOPS級のシステム(旧地球シミュレータの半分程度のリソース)で十分に行うことができますが、しかし、より正確な結果を得るためには、少なくとも空間の区切りを8分の1の0.4km程度にして雲の影響を取り入れる必要があることが判ってきました。さらに地上から上空方向の空間の区切りも現状の2倍程度細かくすることにより、予測精度の向上が見込まれることが、判ってきています。このような詳しい計算は、問題規模が約100倍(正確には128倍、必要とするメモリ量の見積もりでは920テラバイト)、計算時間が約1000倍(正確には1024倍)になると見込まれており、10ペタFLOPS、1ペタバイトメモリ級のシステム無くして解くことは不可能です。今後、日本がこの分野で世界的なイニシアティブを発揮し、国際的な貢献を維持するためにも上記の10ペタFLOPS級システムの早急な実現は欠かせないものになります。

この他にも、数100万原子からなるたんぱく質を含む物質の振舞いを解明する、数万個の原子のシミュレーションにより新しい半導体物質の特性を解明する、短い周期の地震波動伝播を解析し防災に役立てるなど、10ペタFLOPS級のシステムを必要とする重要な問題は多数あります。次世代スパコンはこれらの問題を解決するために開発が進められているのです。

(参考:2005年8月 文部科学省科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会 「計算科学技術推進ワーキンググループ 第2次中間報告(案)」)

また、いろいろな地域に分散している中小規模システムを、ネットワークで結合して利用する分散コンピューティングという考え方がありますが、大規模シミュレーションの場合は、システム間のデータのやり取りの時間が無視できず、シミュレーションに要する時間のうち、通信時間が大半を占めるなど、効率的に計算することが出来ません。このため、大規模シミュレーションを行うためには、1箇所に集中させた大規模システムが必要です。

また、将来的にさらに高性能のスパコン(例えばエクサFLOPS級スパコン:次世代スパコンの100倍の計算性能)を開発・利用することを想定すると、10ペタFLOPS級の大規模システムでの経験や、技術的な蓄積が不可欠です。

※次世代スパコンのような大規模スパコンを用いてはじめて解くことができる大規模問題は、中規模スパコンには入りきらないため、そもそも解くことができません。地球温暖化の予測、タンパク質のシミュレーション、ナノ材料設計等、様々な分野でこのような大規模問題があり、次世代スパコンによる解決が期待されています。


Q3. 次世代スパコンの優れた点を説明して下さい。

次世代スパコンは、スカラ型CPUを採用した超並列分散メモリ型スパコンです。特長と優れた点は、以下の通りです。

(参考:2009年10月開催「次世代スーパーコンピューティング・シシンポジウム」における渡辺プロジェクトリーダーのプロジェクト進捗状況報告

1.低消費電力・超高速・高信頼性CPU
最先端の45nm半導体プロセス技術を採用し,世界トップレベルの低電力性を実現しています。CPUあたり8コアを有しており、演算性能はCPUあたり128GFLOPSです。ワット当たりの演算性能では世界最高性能のCPUです(2009年11月現在)。また、科学技術計算において致命的な影響を及ぼすデータエラーなどに対して、エラー検出/訂正や命令再実行等のエラーリカバリ機能を充実させることで、信頼性を格段に向上させています
2.高性能・高信頼ネットワーク
6次元メッシュ/トーラス構成(ユーザは3次元トーラスとして利用)による直接結合ネットワークです。直接結合ネットワークの場合、故障時の影響が大きいことや、システムを分割して運用する際の自由度が低いことなどが弱点と考えられていましたが、本システムのネットワークは、柔軟な構成を取ることが可能な設計となっており、高い耐故障性や運用性を実現しています。
3.システム・ソフトウェア
基本ソフトは、広く普及しているLinuxを採用しています。言語仕様についても標準仕様に準拠したFortran、C、C++を、また通信ライブラリはMPIを採用しています。ファイルシステムについては、超大規模構成に対応可能な分散並列ファイルシステムを採用しています。

これらの機能は、システムが完成した後、世界最先端のシステムとして、さまざまなユーザに使っていただく際に、大きな効果を発揮するものと考えています。


Q4.次世代スパコン開発の進捗状況を教えてください。

次世代スパコンの開発状況としては、試作・評価まで進み、目標としている計算性能を達成できる見込みとなっています。

次世代スパコンプロジェクトは2006年度に開始され、2012年度までの7ヵ年計画で進められています。2006年度に次世代スパコンの概念設計を開始し、2007年9月にシステム構成案(概念設計)を決定しています。

(参考:2007年9月 次世代スーパーコンピュータのシステム構成を決定

その後、詳細設計のフェーズに進み、2009年7月に設計段階の作業を完了しました。現在はハードウェアおよびシステム・ソフトウェアの試作および評価作業が進行中です。これは詳細設計に基づいて試作を行い、目標としている性能や機能が得られるかどうかを評価・検証したり、ハードウェアの量産製作を行うための確認をする工程です。試作・評価作業が完了すると、最終的なシステム設計が確定し、製造に向けた作業がこれで完了します。

(参考:2009年7月 文部科学省科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータプロジェクト 中間評価作業部会 「次世代スーパーコンピュータプロジェクト 中間評価報告書」)
(参考:日経NET2009年12月2日版「富士通、次世代スパコンの試作機を稼働」)

そして、来年度からはいよいよシステム本体の製作が始まる予定です。2009年12月の段階で、システム製作を担当している富士通(株)では、試作評価作業の一環として、実機の約1000分の1規模のシステムを試作し、量産に向けて様々なテストを実施し、想定通りの性能が出ていることを確認しています。

今後も引き続きプロジェクトの目標達成に向けて、あらゆる努力を継続していきます。


Q5. 予算が凍結されるとどうなるのですか。

今日、スパコンは社会の様々な分野で使われており、研究開発のための重要な基盤的ツールとなっています。これまで日米間で激しい開発競争が行われてきましたが、最近ではロシアや中国も独自のスパコンの開発をはじめており、国際競争はより激しくなってきています。研究開発を優位に進めるためには、より性能の高いスパコンを利用できることが重要であることは言うまでもありません。仮に、次世代スパコンプロジェクトが凍結になると、瞬く間に各国に追い抜かれ、引いては国際的な競争力の低下を招くというということになります。特に、米国をはじめとする諸外国がスパコン関連予算を拡充している状況ですので、影響はより深刻であると考えています。

それだけではありません。世界最先端の研究を行おうとしている優秀な研究者は、より良い研究環境を求めて国外に出て行くことになりかねませんし、製造メーカー等においてもスパコン部門の技術者が離散してしまい、技術者の育成も含めて次の世代のための技術の蓄積が失われる可能性が高まります。

また、次世代スパコンの設計は、現時点で最新の技術を取り入れながら行ってきましたが、予算が凍結されスケジュールどおりに製作出来なければ、発展著しい計算機システムの世界においては、完成時点のシステムが時代遅れのものとなるばかりか、それを有効利用できる期間も短くなってしまいます。

さらに、文部科学省においては、次世代スパコンを用いて、科学技術の幅広い分野において戦略的・重点的に研究を推進していくための5つの戦略分野を決定し、我が国の研究者を結集して各戦略分野の研究開発を中心となって担う機関「戦略機関」の選定を行っているところです。

(参考:2009年7月22日付け文部科学省報道発表「次世代スーパーコンピュータ戦略分野決定について」)

このように次世代スパコンの利活用については、2012年の完成を見越して、様々な環境整備や体制構築が進みつつありますが、完成時期がずれ込むことで、これらの準備に深刻な影響が出ることが懸念されます。

現在は、計算機システムの詳細設計が終了し、いよいよ実際の製造に入ろうとする段階にあります。一日もはやく完成させ、有効利用できる期間を少しでも長くすることが投資の有効性に叶うものと考えます。

TOP500における我が国順位の推移(台数ベース)

※日本は、1993年には世界第2位のシェアだったが、2009年には第6位に後退している。近年、中国、ロシア等の躍進が目立つ。

  

世界の上位500位に入っている日本のスパコンの台数とその内訳の推移

※1993年時点では、500台中110台がランクイン(シェア2位)していたが、2009年には20台以下(シェア6位)まで落ち込んできている。上位30位までのトップレベルから下位まで、すべての層が薄くなってきていることがわかる。

  

主要各国のリーディングスパコン(その国で演算性能が最も高いスパコン)の
TOP500における順位の推移

※1990年代、日本は世界トップクラスのスパコンを常に保有していたが、近年は低落傾向にあり、最新のランキングでは上位30位にすら入っていない。


Q6. これまで開発にかかわってきていた3社(富士通、NEC、日立)のうち2社(NEC、日立)が撤退したのにもかかわらず、当初の目標どおりに進められるのはなぜですか。

次世代スパコンプロジェクトは、2005度の総合科学技術会議による事前評価を経て、2006年度にスタートしました。2006年度から2009年度初旬までに、システムの概念設計と詳細設計を終える計画となっており、詳細設計の最終段階においてプロジェクトの中間評価作業が文部科学省において行われました。

・文部科学省による中間評価作業について
2009年4月から7月にかけて、文部科学省科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会の下に設置された「次世代スーパーコンピュータプロジェクト中間評価作業部会(以下、「評価部会」という。)による評価が実施されました。この評価の中で、本プロジェクトで採用していたスカラ部とベクトル部からなる複合システムについて、連携計算アプリケーションのための複合システムとして性能が十分でないなどの問題点の指摘がありました。一方で、システムの主要な演算部であるスカラ部については、スカラ部のみでもシステム全体としての性能目標の達成が見込まれるとの評価をいただきました。

こうした認識の下、評価部会から複合システムのあり方を含めプロジェクトの目標達成を念頭においた最適なシステム構成の再検討を行うように指示を受けました。

・新システム構成の検討経緯
上記の文部科学省からの指示を受け、理研において新たなシステム構成を検討している最中に、ベクトル部を担当していたNECから、経営環境の悪化を理由に本プロジェクトからの撤退表明がありました(これに伴いNECと共にベクトル部の計画に参画していました日立も撤退することになりました)。

理研は、評価部会からの評価・指示を踏まえて再検討した結果、ベクトル部がなくなったとしてもスカラ部のみで目標性能が達成できる成算から、複合システム構成からスカラ単一のシステム構成に変更することとしました。複合システム構成では、NEC・日立と富士通が、それぞれベクトル部とスカラ部を担当して進めて来たため、NEC・日立の撤退後も、影響を最小限に留めて開発を続けることができました。

(参考:2009年5月14日付け理研・NEC共同プレスリリース「次世代スーパーコンピュータ・システムの構成を見直す」)
(参考:2009年7月17日付け理研・富士通共同プレスリリース「次世代スーパーコンピュータの新システム構成を決定」)


Q7. 2社の撤退を受けて、システム構成が見直されましたが、その際きちんと評価がなされているのですか。

文部科学省 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会の下に設置された有識者による「次世代スーパーコンピュータプロジェクト中間評価作業部会」に対し、2社撤退後の新システム構成および開発スケジュール等を説明し、「スカラ型単一のシステムは、プロジェクトの目標達成を念頭においたシステム構成として妥当である。」と評価されました。

(参考:2009年7月 文部科学省科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータプロジェクト 中間評価作業部会 「次世代スーパーコンピュータプロジェクト 中間評価報告書」)

また、中間評価作業部会の結果について、文部科学省から総合科学技術会議へ報告し、了解をいただいています。


Q8. 見直しの結果、ベクトル部がなくなり、スカラ単一のシステム構成となりましたが、ベクトルユーザへの影響はどのようにみていますか。また、ベクトルユーザへの支援などは考えているのですか。

我々は、ベクトル部を開発する意義について、ユーザの利便性において、技術的な観点で考慮すべきなのは、以下の2点と捉えていました。

1. 流体計算等、従来のベクトル機向けアプリケーションへの対応

2. 高いCPU性能を活用した並列化効率が低いアプリケーションへの対応

上記1.については、近年、スカラ型は同時命令実行性能の限界から、ベクトル型は省電力化の限界から、スカラ型とベクトル型のアーキテクチャは互いに近づいてきており、両者の差は小さくなる方向にあります。従来のベクトル機で動作していたアプリケーションについても、次世代機のベクトル部で効率的に動作させるためには相応の書き換えが必要でしたが、この作業はスカラ部向けに書き換える作業と同等程度と考えていました。また、流体計算等、従来のベクトル機向けアプリケーションについて調査した結果、スカラ部向けに書き換えることにより、相当程度の実行効率が得られることがわかりました。

上記2.の並列化効率が低いアプリケーションについては、詳細設計の中でスカラ部のインターコネクトを増強し、並列度が高くなってもできるだけ効率が低下しないようなシステム構成になったことで、十分な実行性能が得られるものと考えています。

本件については、前述の中間評価作業部会においても、「インターコネクト性能を倍増していることも考慮すれば、プログラムの書き換え等の調整を行うことにより、スカラ部でも相当程度の実行効率が確保できる見込みがあると判断する。」との評価を頂いているところです。

ただし、プログラムの書換えなどベクトルユーザの負担は増えることになるので、登録施設利用促進機関(注)による支援等を行うことが望ましいと考えています。

(注)法律で定められている次世代スパコン施設の利用支援業務や利用者選定業務を行う機関


Q9. スパコンは他国から購入すればよいのではないですか。

世界最先端の計算科学研究のためは、世界トップクラスのスパコンを保有することが重要なことはもちろんですが、同時にスパコンを高度に使いこなす技術も不可欠です。特に近年、スパコンのアーキテクチャは複雑化する方向にあり、性能を十分に引き出すためには、スパコンそのものについて深く理解していることが求められています。そのためにも、自国でスパコンを開発する能力を保持することは極めて重要と考えます。

また、他国で開発された最先端のスパコンはその国の重要な技術であるため、常に我が国への導入が一歩遅れることは避けられません。科学的な成果の面では、「世界で最初に発見すること」に大きな意味がありますから、スパコンを用いた研究や技術開発による特許等知的財産の獲得など、その周辺を含めた効果を考慮すれば、その中心となるスパコン技術を他国に委ねることは大きなリスクになります。我が国の研究基盤や産業基盤となる技術が他国の技術開発方針、開発計画に左右されることは、科学技術立国を目指す我が国として絶対に避けるべきと考えます。

理論、実験に次ぐ科学技術の第3の手法であるシミュレーション技術を我が国として保持するためには、スパコンを独自に開発し、自在に利用できる技術を持つことが重要です。このため、スーパーコンピューティング技術は、集中的に資金を投入すべき我が国の基幹技術(国家基幹技術)と位置付けられています。

米国においては、以上のような理由から、長年にわたりスパコンの開発に積極的な投資が行われてきました。この間、スパコン開発技術を持たないヨーロッパ諸国では日米からのスパコン導入に投資を余儀なくされ、また近年中国・インドやロシアはこのような状況からの脱却を目指して独自のスパコン開発を加速させています。


 

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