プロジェクト概要

科学技術のブレイクスルーに挑む

次世代スーパーコンピュータで期待される成果

極微細な量子の世界から膨大な数の銀河を内包する宇宙まで、広大なスケールの中に存在する様々な自然現象を解明し社会に貢献するための汎用スーパーコンピュータとして、次世代スーパーコンピュータは開発されています。
例えば小さいスケールでは、溶液中のウイルスのシミュレーションやリポソーム(数十万原子)の長時間シミュレーションによる医療分野への貢献、またセルロース分解酵素シミュレーションにより安価なバイオ燃料の提供等、エネルギー分野への貢献等が期待されています。もう少し大きなスケールでは、次世代半導体ナノデバイス全体のシミュレーションや非シリコン系物質等新機能物質の探索により、次世代エレクトロニクステクノロジー加速が期待されています。もっと大きなスケールでは、地震波動伝播シミュレーションと構造物の耐震シミュレーションを組み合わせた防災への貢献、正確な台風の進路・強度シミュレーションによる気象予測への貢献等が期待されています。

次世代コンピュータを用意田シュミレーションの例〜ナノから宇宙まで〜

グランドチャレンジ・アプリケーションの研究開発

次世代スーパーコンピュータを最大限に利活用するためのソフトウェア
(ライフサイエンス分野及びナノテクノロジー分野のグランドチャレンジ・アプリケーション)を開発し、
普及させることは、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトの目標の一つです。

次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発

理化学研究所は、次世代スーパーコンピュータの性能を十分に発揮させ、分子から全身まで生体内で起こる種々の現象を統合的に理解するためのシミュレーションソフトウェアの研究開発を進めています。 基礎原理(方程式・モデル)に基づいて現象に迫る「解析的アプローチ」と大量の実験データから未知の経路と法則に迫る「データ駆動型アプローチ」により、ミクロからマクロまで、異なるスケールの研究と実験データを統合的かつ有機的に結びつけ、次世代スーパーコンピュータの性能を最大限に発揮するペタフロップス・スケールのシミュレーションソフトウェアの開発に挑戦しています。 また、得られた研究成果を、医療診断・創薬・ヘルスサイエンスなどの分野へ応用するため、実社会での活用を目指して、産業界との連携を積極的に進めていきます。

脳神経研究開発

次世代ナノ統合シミュレーションソフトの研究開発

分子科学研究所は、次世代スーパーコンピュータを分子・物質の計算科学のシミュレーションで最大限に活用できるよう、計算科学理論・方法論の確立と、それらに基づくソフトウェアの開発を行う拠点です。
電子・原子・分子レベルからの精緻な大規模計算に基づいて、ナノスケールの物質で発現する特有の現象・特性を解明し、予測することを目標としています。具体的には、「次世代ナノ情報機能・材料」「次世代ナノ生体物質」「次世代エネルギー」の3つのグランドチャレンジ課題を設定して、それぞれの分野の解明にブレイクスルーをもたらす計算科学の飛躍知の発見・発明に繋げます。
また、研究開発拠点に産学連携体制を構築し、研究成果の産業界への展開を図っています。

次世代ナノ統合シミュレーションソフトの研究開発図