プロジェクト概要

次世代スーパーコンピュータの開発・整備

理化学研究所は、プロジェクトの中核機関として、
科学技術分野での革新的な成果を生み出すための最高水準の汎用システムである
「次世代スーパーコンピュータ」を開発・整備します。

世界最先端のスカラ型コンピュータ※1システム

【システム構成と特徴】
●45nm半導体プロセス技術によるスカラ型CPU(SPARC64™VIIIfx、8コア、128ギガFLOPS)を採用。高性能化・大規模化のための機能として、CPUが扱う細かいデータ単位を複数個まとめて扱えるよう拡張するとともに、データ一貫性のためのチェック・訂正及び再実行の機能を随所に備え、アプリケーション実行の高性能化・信頼性向上に寄与。
●計算ノード間ネットワークには、構成の柔軟性・拡張性が高く超大規模接続が可能な直接結合網※2を採用。多次元メッシュ/トーラス結合(ユーザービューは3次元トーラス※2)を採用することで、ユーザー利便性、耐故障性・運用性の向上に寄与。
●水冷システムを導入することにより、効率良くシステムを冷却して消費電力を削減するとともに、故障率を低減。
●数百ペタバイト超級まで拡張可能な高機能・超大規模ファイルシステムを用い、数十ペタバイトのユーザー領域を提供。
●グローバル及びローカルファイルシステムから成る2階層ファイルシステムを採用。ファイル移動には事前予約型の自動ステージング機能を提供。

※1スカラ型スーパーコンピュータは、データを細かい単位で順次処理する仕組みのCPUを複数個ネットワークで結合して構成されるタイプのシステムであり、現在、世界的に主流となっている。ナノデバイスの構造解析、遺伝子やタンパク質などのデータ検索・解析のように、複雑なデータアクセスを行う計算によく用いられている。
※2ネットワークには直接結合網と間接結合網という2つの方式がある。直接結合網は2ノード間の結合を様々に拡張して全体を構成する方式で、間接結合網は複数ノードの間の接続に切り替え装置(スイッチ)などを用いて全体を構成する方式。3次元トーラスネットワークは直接結合網の一種であり、3次元の直方体に配置したノードをそれぞれ6方向で結合し、各次元がそれぞれリング状に結合されるネットワーク構成をとる。

世界最先端のスカラ型コンピュータシステム図

【システム・ソフトウェア構成】
ハードウェアの性能を使い切るにはアプリケーション・プログラムとハードウェアの間を繋ぐシステム・ソフトウェアの充実が不可欠です。本システムにおいては、
●OS(Operating System)には高いポータビリティを提供できるLinux
●ソフトウェア資産の継続性も念頭に置いたプログラミング言語群
●並列化のためのデータ通信を高機能に行うMPI(Message Passing Interface)ライブラリ
●システムに最適化された高性能・高機能な科学技術計算ライブラリ
など、アプリケーション・プログラムが高性能を発揮できるユーザー利用環境を提供します。

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