HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)構築の政府予算案
事 項 | ~H21年度予算総額 | H22年度予算額 | H23年度予算案 |
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システム設計費(試作費を含む)※1 | 275億円 | ー | ー |
システム製作費※1 | ー | 351億円※4 | 107億円 |
建屋建設費 | 164億円 | 29億円 | ー |
計算科学研究機構運営費 | ー | 14億円※4 | 65億円 |
うち、調整運転経費※2 | ー | 4億円 | 55億円 |
次世代スーパーコンピュータ開発実施本部経費 | 11億円 | 3億円 | 2億円 |
総額 | 450億円 | 396億円※4 | 175億円 |
文部科学省経費※3 | 95億円 | 18億円 | 37億円 |
- ※1) システムソフトウェア開発費等を含む。
- ※2) 整備段階中のシステムの保守、光熱水経費、通信経費等の総額。
- ※3)文科省経費(応用ソフトウェア開発、戦略プログラム、HPCI整備・運営等)の総額
- ※4) 平成22年度当初予算額に平成22年度補正予算額を加算したものとして掲載。
- 注)四捨五入のため加減結果が一致しないところがある。
総論
- HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)構築の政府予算については、主として、(1)次世代スーパーコンピュータ(愛称「京(けい)」。以下、「京」という。)の開発・整備に関する経費と、(2)計算機システムを利用するためのプログラム(応用ソフトウェア開発、戦略プログラム、HPCI整備等)経費とに分けることができます。(1)「京」の開発・整備については理化学研究所が主体となって開発を進めています。一方、(2)のプログラム経費については文部科学省が所要の経費を確保し、複数の研究機関に研究委託及び補助することにより開発を進めています。
- 理化学研究所が主体となって進めている計算機システム開発につきましては、平成21年度中に計算機システムの試作・評価が完了し、平成22年度からはシステムの製作が開始されました。平成24年度の完成に向け、平成23年度も引き続きシステム製作を行うために必要な経費と製作したシステム据付調整の経費を計上しています。なお、平成24年度までの「京」のシステム開発・製作経費(システムソフトウェア開発・評価費等を含む)にかかる総額は約1120億円の見込みです。
- 平成22年5月末に、神戸のポートアイランド内に「京」を整備する施設が完成し、同年7月には当該施設を運用する組織(計算科学研究機構)が発足しました。平成23年度においては、「京」の運用と「京」を核とした計算科学研究の拠点形成に向けて取り組みを進めることとしており、計算機システムの部分的な稼働に必要な経費等を計上しています。
各論
- (1)計算機システム製作費
- 国会における平成22年度政府予算審議において、平成22~24年度の3年間に亘る計算機システムの製作経費の枠(国庫債務負担行為限度額)として490億円が認められました。計算機システムは、平成24年6月に10ペタフロップス級の性能を発揮できるように段階的に整備していくこととなり、製作2年目となる平成23年度も引き続き計算機システムの一部を製作する経費として102億円の製作費が認められました。
- その他、計算機システムの製作費のなかには、基本ソフトウェア及びシステム性能確認のためのアプリケーション・プログラムの高度化の経費が含まれています。
- 計算機システムの製作は平成22年8月から開始されていますが、順調に整備が進められており、平成22年10月に第一号の筐体が整備されました。
- 平成23年度当初からは、部分的に整備された計算機システムを使って性能確認・試験運用(部分稼働)を行うこととしています。
- (2)建屋建設費
- 建屋は、平成22年度からの計算機システムの搬入に間に合うように、平成18年度から設計を開始し、平成22年5月末に竣工しました。建屋の工事総額は約193億円です。建屋の外観や内部の様子につきましては、こちらをご覧ください。
- 建屋は、現在製作中の計算機システムを据え付けるための計算機棟と、主としてシステムを利用した研究や研究の支援活動が行われる研究棟で構成されています。計算機棟は地上3階建て(地下1階)、研究棟は地上6階建て(地下1階)です。
- 大きな地震災害時にも計算機システムが損傷しないように、保全対策として計算機棟及び研究棟は免震構造を採用しているほか、搬入される膨大な量の計算機システムの重量やシステムを冷却するために必要な空調機の重量を支えるために堅固な構造としています。
- また、建屋は海浜地区に建設していることから、塩害対策として、重要な構造体には防錆対策を施すとともに、計算機棟外壁にはアルミパネルを採用、研究棟にはガラスを基調とした外壁を採用し、耐久性に優れたものとしています。
- (3)計算科学研究機構運営費
- 運用主体として「京」の維持管理を行うとともに、共用施設として利用者への供用にかかる業務を行う組織として、平成22年7月1日、理化学研究所内に計算科学研究機構(以下、「機構」という。)を設立しました。機構の概要等につきましては、こちらをご覧ください。
- 平成23年度は、機構の運営費として、建屋や据付が開始されている計算機システムの保守経費とその運転にかかる光熱水経費等のために必要な経費を計上するほか、「京」の高度化に資する研究や分野横断的な基盤的研究を実施するための経費等を盛り込んでいます。
- 平成23年度初めから計算機システムの部分稼働を予定しており、稼働に伴って戦略プログラムの実施機関が施設利用を開始する予定であることから、こうした研究者を支援する経費等も計上しています。
- (4)次世代スーパーコンピュータ開発実施本部経費
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理化学研究所において「京」の開発に従事する者の人件費や次世代スパコンに関するシンポジウムや知る集いの開催、各種パンフレットの作成など広報関連の経費などを計上しています。
- 平成22年度に行いましたイベントや行事の概要につきましては、こちらをご覧ください。
「京」の開発スケジュール
- 「京」の開発スケジュールについては、こちらをご覧下さい。
予算に関する今後のスケジュール
- 平成23年1月から開催される予定の通常国会において政府予算案が審議され、議決を経て成立することになります。
(注)HPCIの詳細につきましては、こちらをご覧ください。